冬の保温について

もともと外で生活しているスズメに「保温は必要ない」という意見もあります。
しかし里親さんと暮らすスズメさんには、部屋中飛び回っているコもいれば
ちゅんたろうのように寝たきりに近いコもいます。
体力が違えば適温も違ってくるのでは?と思うのです。

私が観察したところ、ちゅんたろうと小ちゅんは25〜28℃が一番楽な温度のようです。
でも冬の間は2羽の様子を見ながら、それより低く(20℃前後)なるように設定しています。
すごしやすい温度を保ってやる方がストレスが少なくてすむのかも知れませんが
スズメは野鳥なので年中同じ温度より季節と同じ変化をつけた方が良いのでは?という考えです。
スズメさんの個性と相談して保温が必要かどうかを決めてあげるのが良いと思います。


保温器具について

代表的な保温の道具です。
それぞれ使ってみた感想をあげてみます。

☆保温球
暖かくてしっかり温度を上げてくれます。
(逆に温度の上がりすぎに注意^^;
サーモスタットもそろえての長期間の使用向きだと思います。
カゴの広さに応じたワット数を選ぶ必要があります。)
慣れるまでスズメちゃんが怖がる事が多いのと、カゴの中が狭くなるのがネック。

電球切れのストックも必要です。

保温球のお手入れについて


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☆暖突
熱は上にいくものですが、暖突は「特殊断熱材と技術的工夫で下方に反射させる」そうです。
実際使ってみたら、確かにヒーター真下なら20cmくらい離れても暖かさを感じます。
それだけに、ヒーター下以外の場所との温度差が大きいように思います。
ヒーター下は「日向」それ以外は「日陰」、のイメージです。
もちろんたとえ真下でもヒーターから離れるほど暖かさを感じられなくなっていきます。

保温球と同じで温度調整はできません。



☆ペット用パネルヒーター
自動的に温度を調節してくれるので便利ですが
保温球や暖突に比べると暖かさはかなりソフトです。
暖房の効いた部屋で、鳥さんのためにケージ内の温度を少しだけ上げたい場合や、
他の保温器具の補助に併用するとか、小さなケージの保温などに向いていると思います。


写真のヒーターはペラペラで薄く、黒い部分の温度が上がり、表面温度を25〜45℃まで温度設定できます。
温度調節の可否や大きさなど、商品によって違うので購入前に確認してくださいね。


ちなみに小ちゅんの保温には「秋・春」は暖突。「冬」は保温球+パネルヒーターを使ってます。
でも、これから保温道具を準備するという方は、こんなに色々そろえる必要はありませんよ〜^^;
私の場合、いろいろ試してみたくて衝動買いしてしまい、「あるから使ってる」のです。
たいていの場合は「保温球とサーモスタット」をそろえれば充分だと思います。

カゴのカバーについて
効率よく保温するのためにはビニールカバーは必需品だと思います。
でもカバーをかけることによって細かいゴミがカゴの中でたまりやすくなり
空気が汚れやすくなってしまいす。
鳥さんは体の構造上、呼吸器の病気になりやすいそうですので
保温するときは、温度以外にも湿度やお掃除にも気をつける必要があります。


リリースが目標なら

第一回換羽(※)が終わり、来春のリリースを目標としているスズメさんの場合
室内なら冷たい風雨にさらされることも、餌がなくて飢えることもないので
とくに暖房は必要ない・・と思いますが
野生でたくましく生きているスズメさんでも、
ほとんどが一年目の冬が越せなくて亡くなってしまうそうです。
(※第一回換羽・・・幼羽から成鳥と同じ羽に替わる換羽のこと)

なるべく自然に近い状態にするため、できるだけ暖房は入れず
スズメさんの体調に気をつけながら冬を越せる体力がつけられるのか
見極める必要があると思います。

鳥は皮下脂肪がほとんどないのでエネルギーを蓄えることはできません。
消費した分すぐに食べて補う必要があるため気温が下がると
餌を食べる量が増えます。多めに用意して、餌切れしないよう気をつけてあげてください。


不調時の保温について

小鳥は大量の空気を吸い込むので、効率よく小鳥の体を暖めるには
小鳥の周りの空気全体を暖めるのが一番いいと思います。
例えば暖かいカイロを体に当ててやったとしても
吸い込む空気が冷たいと、体は暖まりにくいようです。

寒そうにうずくまっていると、つい暖かい布などでくるんでやりたくなりますが
寒いときは羽毛を膨らませたり、体を震わせて体温調節しようとします。
また、小鳥は体全体をポンプのように使って呼吸しますので
小鳥の体をヘタにくるんでしまうと体温調節や呼吸を妨げることになってしまいます。
寒がっている時は保温球などを使って、周りの空気を暖める方が良いと思います。

健康な小鳥ならカゴの一部に暖かい場所をつくってやれば
寒いときは暖かい場所に移動して自分で調節できますが
うずくまってじっとしているような不調時は、小さめのカゴに移して
カゴ全体を適温で暖めてあげましょう。

不調時の目安温度は30℃ですが、30℃にしても寒そうにしているときはもっと温度を上げてください。
小鳥の体温は40〜42℃だそうです。体温に近い保温が必要なケースもあるそうです。
(※もちろん、ここまで衰弱する前に獣医さんに相談しないといけませんよ^^;)
鳥さんの様子を見ながら少しずつ温度を上げて、適温を見つけてあげてください。
「暑い、寒い」サインは「鳥さんのサイン (すずめっ子クラブWiki)」をお読みください。

人間もそうですが、急激な温度変化は体にこたえます。
お掃除や餌、水の交換時など、できるだけカゴの中の温度が下がらないよう気をつけてあげてください。